▲2020年に公募された「第4回 日本女性学習財団 未来大賞」。最終選考5編まで残ったレポートを公開します。(事務局の許可済み)
《要旨》
2019年9月末、静岡県浜松市を拠点として4年間活動してきた、一般社団法人ハーサイズ® を終了した。これまで約20年。女性のための起業支援に関わってきた実感として、女性起業家支援は何度目かの転換期を乗り越え、これまでの延長線上にはない新たな支援のあり方が必要ではないかと強く感じる。
当レポートでは、私的な女性起業家支援の概略と歴史を振り返りながら、経済産業省が打ち出した女性起業支援策をとりあげ、その成果と限界点を整理する。そして、GAD(ジェンダー開発)手法の1つである「モーザ・フレームワーク」を活用し、この不確実な時代における新たな女性のための起業支援への展望を考察していきたい。
《はじめに》
在宅勤務やSOHO、在宅ワークなどを含む「テレワーク」についての調査研究を実施。近年のICTの進歩には目覚ましいものがあり、このことは企業活動のあり方や労働力の活用方法、働く人の意識などの変化に、大きな影響を与えている。「テレワーク」の活用が、女性の就業、企業活動、行政支援体制などにどのような影響を与えているのかを今考えることには大きな意義がある。本研究は、女性の就業・再就業や社会における能力発揮の場を求める際における、ICTを活用した新しい働き方の可能性や方向性を考察。
《要旨》
女性と経営に関する研究は,新たな就業形態や能力発揮の場としての「女性による経営」が1980年後半から調査・研究対象として着目されたことがはじまりである 。90年代に入ってからは,事例研究から抽出された「生活者の視点」「感性豊か」「きめ細かい」「女性らしさ」「女性ならでは」 といった,従来型の経営スタイルとは異なる特質性から「女性の創業や経営」についての分析が主流となってきた。ここ2~3年,21世紀に入ると女性起業家 については,そのイメージと実態の乖離が指摘され始めることとなった 。メディアを中心に作られる華やかなイメージや興味本位で注目されてはいるが,必ずしも実態を反映しているとは言えない。本論では,女性起業家に関する先行研究や調査報告を整理・検討し,その現状を明らかにすることを目的とする。